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史上最若のジェームズ・ボンドを描く『007 First Light』インタビュー!舞台はなんと現代、ストーリー重視のステルスアクション

IO Interactiveが開発中の『007 First Light』について、ナラティブ&シネマティックディレクターとの単独インタビューの内容をお届けします。

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IO Interactiveが開発中の新作ゲーム『007 First Light』について、同作のナラティブ&シネマティックディレクターであるマーティン・ノボリ氏との単独インタビューを行ってきましたので、インタビューの内容をお届けします。

若き日のジェームズ・ボンドを描く

――『007』フランチャイズで最も若いジェームズ・ボンドが登場するとのことですが、このボンドをデザインする上で何に焦点を当てたのでしょうか?

マーティン・ノボリ氏(以下、ノボリ):ええ、本作のボンドは26歳です。彼はMI6に入る前の姿で登場します。ベテランのスパイとしてのジェームズ・ボンドになる前、彼がどのような人物だったのか、何が彼に生まれつき備わっていて、何がその世界に足を踏み入れた結果として培われたのか、という点に注目しました。

生まれつきの資質としては、彼は魅力的な人物であり、何かを成し遂げると決めたら、目標達成のためには手段を選ばないといった面があります。このゲームでは後の映画版ボンドで描かれるような憧れのヒーローというよりも、より共感しやすいヒーローとして彼を描き、プレイヤーは彼がこの世界に足を踏み入れ、様々な経験を通じて成熟し、変化していく過程を共に辿ることになります。

もし彼をひと言で表現するなら、「無謀」という言葉が選ばれるでしょう。彼には不遜な一面魅力的な部分もあります。

20世紀と思いきや現代が舞台

――このジェームズ・ボンドは他のどのボンドよりもかなり若いですが、時系列はかなり古いものになるのでしょうか?

ノボリ:いいえ、これは現代のゲームです。今から15分くらい先の現代を舞台にしています。私たちは今作のボンドを新鮮な視点で捉え直しており、イアン・フレミングの原作に立ち返り、「キャラクターのDNA」がどこから来ているのかを探求し、私たち独自のバージョンを作り上げました。

――『007 First Light』はIOにとって、既存のキャラクターに基づいてゲームを開発する初めての経験となりますが、面白かった点や難しかった点は何ですか?

ノボリ:ジェームズ・ボンドと遊べるのは純粋に面白いことです。大きな挑戦でしたが、皆のモチベーションにもなりました。ボンドに対して大きな敬意を払いながらも、彼をさらに発展させ、何か意義深いことをしたいという強い願望がありました。他の作品をただ合成するのではなく、オリジナルのものを作ることを目指しました。

イアン・フレミングの原作からインスピレーションを得た

――このゲームのストーリーラインを作る上で、どの007作品に最もインスパイアされましたか?

ノボリ:実はイアン・フレミングの原作小説を参考にしました。ボンドのようなキャラクターは誰もが知っている、62年続くフランチャイズですから。原作を読むことは非常に参考になり、私たち独自の解釈を可能にしました。ボンドの解釈は常にその時代の影響を受けてきたと考えています。70年代や90年代のボンドと、2020年代半ばのボンドでは全く異なりますから、新しいものである必要がありました。

――日本の読者に007のおすすめの本を1冊教えていただけますか?

ノボリ:個人的には「007/ムーンレイカー」がとても良い本だと思います「007/カジノ・ロワイヤル」も良いですね。『007 First Light』は私達のボンド最初の作品です。私たちはこれらの本からストーリーのインスピレーションを得たわけではなく、キャラクターとしてのインスピレーションを多く得ました。

ステルスとボンドの魅力が融合したゲームプレイ

――このゲームはストーリー主導のキャンペーンゲームのようですね。ゲームはどのように進行しますか?

ノボリ:はい、キャラクター主導の物語性のあるアクションアドベンチャーゲームです。ミッションでは創造的な可能性が広がりますが、ゲームは時には焦点を絞り、時には開放的になるように構成されています。これにより、意図的なストーリー展開を保ちつつ、プレイヤーが自分らしいアプローチでゲームを進める自由度も確保されます。

――どのようなプレイスタイルがありますか?

ノボリ:ステルスアクションゲームです。しかし、このキャラクターに特有の魅力的な側面も活用できます。ボンドの代名詞ともいえる、話術で困難を切り抜けたり、ハッタリをかけたりする能力を、ゲームプレイの要素として取り入れたかったのです。

――サイドクエストのようなものはありますか?

ノボリ:私たちは豊かな世界を構築していますが、サイドクエストは、ジェームズ・ボンドのストーリーの勢いとはあまり相性が良くありません。誰かが何かを失くして、それを探しに行くために本筋から外れる、といったことはあまりありません。ただし、世界には多くのコンテンツが組み込まれています。ストーリーはメインキャンペーンに集中した内容になっています。

M、Q、そして新たな顔ぶれが彩るジェームズ・ボンドの世界

――MやQといったキャラクターについても話せますか?

ノボリ:はい、もちろん。オリジンストーリーであるため、登場キャラクター全体を新鮮な視点で見直しています。ボンドの周囲にいるキャラクターたちが、彼がなぜそうするのか、どこでそれを学んだのか、といったことを示唆することで、彼らもまたボンドのキャラクターの一部となるようにしています。トレイラーでは、メンター役のグリーンウェイも登場しました。

――今作のメインヴィランについて聞いても大丈夫ですか?

ノボリ:残念ながら本日は話すことはできません。続報をお待ち下さい。

――ゲーム内でキャラクターのバックストーリーを読めるようなジャーナルやコレクタブルアイテムはありますか?

ノボリ:キャンペーンを通じてジェームズ・ボンドについては深く知ることができますが、他のキャラクターのバックストーリーを読めるかどうかは、正直なところまだ分かりません。

タイトルに込められた意味は?

――タイトル「First Light」の意味について教えてください。

ノボリ:「First Light」は、太陽が昇る前の「最初の光」を意味します。もちろん、これはボンドがこの世界に足を踏み入れるオリジンストーリーであるという明白な理由がありますが、それ以上の意味があり、それはゲームをプレイして初めて完全に理解できるでしょう。


『007 First Light』はPS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ2/PC(Steam、Epic Gamesストア)向けに2026年発売予定です。


ライター:いーさん,編集:TAKAJO

ライター/絶滅危惧種アメリカ在住ライター兼YouTuber いーさん

YouTubeやりつつ様々な媒体で執筆中

編集/いつも腹ペコです TAKAJO

Game*Spark編集部員。『Crusader Kings III』と『Mount & Blade II: Bannerlord』に生活リズムを狂わされ続けています。ちなみに好きな映画は「ダイ・ハード」、好きなアメコミヒーローは「ナイトウィング」です。

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