「偉大なSF作家の頭脳から生み出されたかのような物語だ」海外レビューハイスコア『The Alters』

ポーランド人が得意なことが一つあるとすれば、ビデオゲーム開発をおいて他にない。11 bit studiosのチームがそのことをまたもや証明した。彼らは『フロストパンク』に続いて素晴らしい新タイトルを世に送り出す。過酷な惑星で生き延びるために自分自身をクローン化し、基地を管理し、探索や戦闘まで行う作品だ。

複雑なシステム管理に焦点を当てたこのようなゲームに、人間性という素晴らしい要素を加えつつ、単なる効率化や問題解決以上の理由を提供してプレイヤーを惹きつけるのは非常に難しい場合がある。しかし、11 bit studiosはそれを上手くやってのけ、『The Alters』でまたしても成功を収めた。

『The Alters』はさまざまな要素を融合させたビデオゲームの世界でもユニークな体験だ。まとまりがあって洗練された示唆に富む作品に仕上がっている。偉大なSF作家の頭脳から生み出されたかのような物語だが、その衝撃が実感できるのは“ヤン・ドルスキ”の立場になって考えた時だけだ。

『The Alters』は心をつかんで離さない実存主義的なサバイバル体験だ。アイデンティティ、後悔、自己受容を他のゲームがあまり試みない方法で探求している。少しばかり必要以上に長尺だが、ストーリー、システム、感情的な重みによって忘れがたい作品となっている。

『The Alters』はせっかちなプレイヤー向きではない。テンポの速いアクションやすぐに結果が出ることを求めているのなら、本作は合わないだろう。このゲームは熟考と試行錯誤、そしてかなりの内省を必要とする。それでも、非常にやりがいがあり、深く考えさせられる体験を提供する本作は、今年最も興味深い作品の一つとして傑出している。

『The Alters』は基地建設ストラテジーと三人称視点での探索、そして自分自身をクローン化するSFストーリーを融合させることで、緊張感のある斬新な作品を生み出している。しかし、その全体的な効果は繰り返しの多さと複雑な雑務によって損なわれている。

私は『The Alters』が気に入っている。その設定の売り込み方は、もっと多くのSFゲームが採用すべきものだ。そうした作品はもっと必要とされている。しかしながら、ゲームプレイ要素が希薄なため、本作をお勧めするのは難しい。退屈さや水増しされたゲームプレイを辛抱する気があるのなら、素晴らしく楽しい物語を体験できるだろう。