気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Preferred Networks開発、PC/Mac向けに5月15日にリリースされた日本産サバイバルクラフト『Omega Crafter』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、謎の妨害プログラムによって開発が難航しているゲーム世界を舞台にしたサバイバルクラフト。採掘・運搬・クラフトからダンスまで、様々な行動をプログラムできる相棒「グラミー」と共に世界の謎に迫る冒険が楽しめます。
『Omega Crafter』は、2,800円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
佐藤氏 Preferred Networks (PFN)で本作のディレクターをやっている佐藤拓弥です。ゲームはいろいろなジャンルが好きで、「これ!」と定めるのは難しいのですが、最もプレイしたゲームは『FINAL FANTASY XI』で、学生の頃は1日10時間以上プレイするのを4~5年続けていました。今もゲームは大好きでたくさんプレイしていますが、どちらかというと開発をする方に時間を回しています。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
佐藤氏 本作はオープンワールドサバイバルクラフトゲームで、ゲーム内に登場する「グラミー」というキャラクターをプログラミングで自動化して拠点を作り、強大なボスを倒していきます。
PFNでは「Playgram」という子ども向けのプログラミング教育アプリをやる気スイッチグループさんとの合弁会社を通じ、HALLOという教室名で全国900教室以上に展開しています。Playgramはプログラミングとクラフトゲームが合わさったことができるのが特徴です。私も開発に携わったり、実際に子供が学習する様子を見ていましたが、子供が非常に熱中してゲーム感覚でプレイをしていました。この様子を見て、大人向けにしっかりとゲームとして作り上げたら大人にも楽しんでいただけるのではないかと思い開発をすることになりました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
佐藤氏 『Valheim』『Satisfactory』『Core Keeper』『クラフトピア』等のオープンワールドサバイバルクラフトゲームになります。ゲームデザインは『Valheim』や『Satisfacotry』に影響を受けており、サバイバルクラフトゲームで自動化したいと思った部分をプログラミングで自動化できるようにしています。
また、本作は少人数で開発しており、同じく少人数で開発されていた『Valheim』『クラフトピア』等の事例を非常に参考にさせていただいています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
佐藤氏 本作は建築で壮大な街を作ることができ、Discordでたくさんのプレイヤーの方が作った街を共有しています。我々開発者はその様子を見ることが大好きで、次にどのようなアップデートを行うと良いか非常に参考にさせていただいております。
インディーゲームのイベントであるBitSummitに出展した時に、共有されている街の中でも特に大きな街を作ったプレイヤーの方とお会いし、握手をして記念撮影をさせていただいたときが一番印象深かったです。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
佐藤氏 リリース後のフィードバックには様々なものがありました。特に印象深いものはプログラミング周りの要望がたくさんあることでした。本作のプログラミングは初心者に配慮してできるだけ複雑にならない方向に寄せているのですが、熱心なプレイヤーは様々な部分をカスタマイズしてプログラミングしたいということが分かりました。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
佐藤氏 上記のプログラミング部分に関しては、ゲーム内だけに留まらずあらゆる方法があるのではないかと考えております。そこをチームで検討して、プレイヤーの方の予想が付かない方向で何かアップデートをできれば良いと考えております。まだまだ検討中ですが、楽しみにしていただけると幸いです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
佐藤氏 はい、本作は自由に配信したり収益化していただいて構いません。本作での建築の様子やプログラミング等の様子をぜひストリーミングしていただけると嬉しいです。開発チームのメンバーも配信をよく見ており、いつも感謝しています。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
佐藤氏 本作はプログラミングが特徴のサバイバルクラフトゲームですが、プログラミング未経験の方でもプログラミングの恩恵である「自動化」「効率化」の部分を味わえるゲームにしています。ぜひ、サバイバルクラフトゲームが好きな方はプレイいただけると嬉しいです。
また、すでにプレイされた方はプレイいただきありがとうございます。皆様の感想が更にゲームを素晴らしいものにしていきますので、ぜひご感想をお聞かせいただけると嬉しいです。これからも素晴らしいゲームを届けられるように努力していきたいと思います。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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